具象モチーフを担当するhitchと、抽象モチーフを描くsimoは、大学の同級生。
10年以上活動を続ける息ぴったりの2人とTokyoDexは、東北でのアーティスト・キャラバンをはじめ、Indeed新オフィスやMINIルーフ自由化計画等、多種多様なプロジェクトを一緒に行ってきました。
今回はWhole9に、2人の今まで、そしてTokyoDexとのつながりについてインタビューしました。
Whole9を結成したきっかけは何ですか?
hitch(以下h):絵に関する仕事をしたいと思って美大に入ったんですが、学校の先生に
は絵で生活していくのは、難しいと言われて。じゃあ、どうしたらいいだろうと考えていた時、チームで大きな壁にライブペンティングをする動画を見て。これだったらいけるんじゃないかって思い、simoや美大の友達に声をかけてWhole9を結成しました。
simo (以下s) : 僕もとにかく絵が好きで美大に入って、hitchに誘われて面白そうだなと思いWhole9に参加しました。Whole9は3-4人で活動していた時期もあったんですが、ここ数年は2人で活動しています。
h : 実は、Whole9結成のきっかけとなったライブペインティングの動画は、TokyoDexのダニエルさんが所属していた輪派絵師団というグループのものだったんです。そう思うと、今一緒に仕事しているのがすごいですね。
制作にあたりお二人が大切にされていることは?
s:僕たちが描く絵は、その場所の演出の一部になります。だから、その場その場の雰囲気にマッチする絵を描きたいなと思っています。なので、絵を描く前に、どんな人がこの場所に集うのか観察し、機会があれば直接話すようにしていますね。
h : 僕は遠くから見ても、近くから見てもかっこいい作品になるように心がけています。小さなモチーフ1つ1つもかっこよく、そして遠くで見たときも構図がきれいであるように、両方の面から考えるようにしています。
h : 僕は遠くから見ても、近くから見てもかっこいい作品になるように心がけています。小さなモチーフ1つ1つもかっこよく、そして遠くで見たときも構図がきれいであるように、両方の面から考えるようにしています。
TokyoDexとの出会いについて聞かせてください。
h : 2014年に、僕らを含め50組以上のアーティストが廃ビルを舞台に作品を作っていく「BICTION」というアートプロジェクトがあり、そこでダニエルさんに声をかけてもらったのが出会いでした。それがきっかけとなって、2015年に東北へのアーティスト・キャラバンに参加させてもらうことになり、これがTokyoDexとの初めての仕事になりました。
s : このアーティスト・キャラバンは、TokyoDexとした仕事の中でも、一番印象に残る仕事です。いろんなアーティストの方々と車で東北まで一緒に移動して、寝食を共にし、作品作りができたのが楽しかったですね。初めてのTokyoDexとの仕事でしたが、アーティストが楽しく制作できる雰囲気作りをしてくれて、最初から信頼ができました。
TokyoDexと働いている上で感じている特徴はありますか?
h : TokyoDexはバランスがいいですね。アーティストが気持ちよく動けるように頑張ってくれる会社は他にもあるけど、アーティストによりすぎてお客さんの要望に合わせられなかったり。逆に、アーティストとの距離感が縮まらなくて、事務的なやりとりしかできなかったりと、両極端な会社が多いと思います。だけど、TokyoDexはその両面がしっかりしている。TokyoDexと仕事する時は、僕らは描くことだけに集中すればよくて、あとは全部任せて大丈夫。この安心感が違います。
s : ダニエルさん自身が元々アーティストということもTokyoDexの特徴じゃないですかね。ダニエルさんがアーティストだから、アートが置かれる場所にどう影響するのかわかっているし、お客さんからの要求に対してどのアーティストと、どうすれば上手くいくのかもよくわかっている。あと、ただ単にお客さんから出された要求にただ応えるだけなく、アーティストの持ち味やクリエイティビティを活かしてくれようとしてくれる部分がすごく信頼できます。
最後に、アーティストとして伝えたいことは?
s : 僕は自然が好きで、よく作品に取り入れています。例えば、グラデーションはよく空の色を参考にしています。キラキラした石とか植物や夕焼けとか、日常の中にきれいなものっていっぱいある。僕はそれらを画面に描いている感じです。なので、僕らの作品を見て、普段の生活の中にあるきれいなものに目が行くようになって、心が豊かになる、そういうお手伝いができたらなと思います。
h : 今こうして、絵を描けていることがすごく楽しいです。僕の絵は、自分が好きな音楽や映画等から吸収したものが形になったものです。それを見て、子供からおじいちゃん・おばあちゃんまでいろんな周りの人がリアクションしてくれて、そのやりとりからまた新しい視点が得られる。それがとても嬉しいんです。だから、僕らの絵をまだ見たことがない人にも僕らの絵を見てもらって、もっといろんな人と関わっていきたいです。
ライブペイント、壁画制作を中心に活動するアートユニット。
2007年に結成し、具象モチーフを描くhitchと抽象モチーフを描くsimoで構成される。ストリートアートをベースに、スピード感のあるライブ性の高い表現を得意とし、 2人で1枚の絵を描く。現代アートの複雑なコンテクストを放棄し、観る人が直感的に楽しめる力強い絵を創作する。クライアントワークではamazon,adidas,Redbull,といった企業のイベント出演や広告物の制作、CM・PVへの出演を果たし、動画作品の制作、イベントのオーガナイズと活動の幅を広げてきた。近年はアメリカ、中国などでの壁画制作ツアーを成功させ、より広い世界でのアプローチを図る。
コメントを投稿